4.初診

 

今年の初め。

俺が会社に行っている間に、嫁さんがInternetで「痔ろう」のことを調べていた。
「父ちゃん、病院行った方が良いよ。」
「痔ろうって、手術しなきゃ、薬じゃ絶対直らないってよ。」
「長期間ほっておくと、患部が蟻の巣みたいになって手術も大変になるらしいよ。」
「最悪、癌になるってよ。」
怒涛の責め。
さすがに、自分でも心配になって、その夜、Webを巡って見た。

・・・・
嫁さんに言われたことが全部載っていた。
何年もほっておいた痔ろう、一発で医者に掛かる気になった。
っていうか、この時点で手術することを覚悟した。

問題は、病院選び。

退院後の通院も考えると、遠くないところが良い。後、経験豊富な専門医が 良い。でないと、手術を失敗されると、便が駄々漏れになったり、人口肛門 のお世話になったりすることがあるとのこと。(Web調べ)

タウンページ、Internet等で調べ、○○肛門○リ○ッ○という肛門科の個人 専門病院にした。(この闘病記、先生の許可をもらってないんで、一応伏字 にしておく。)先生の紹介に「肛門手術数:3500件以上」と書かれている。
どれ位の数経験すれば、経験豊富ってことになるか分からんが、3500件 やってりゃ大丈夫だろ、と判断。

そして、1月のある日、会社を休んで病院へ。
外観、とても綺麗。待合室はそれほど混んでいない。数人ってところ。だけど なかなか呼ばれない。っていうか、待合室の人誰一人呼ばれない。どうして? と思っていたら、受付の人が誰かとしゃべっているのが耳に入った。

「今、先生手術に入っているので、しばらくお待ちください。」
そーゆーことか。
30〜40分待たされた後、俺の名前が呼ばれた。

診察室に入ると、綺麗な看護婦さんに、
「下(ズボン、下着)を下げてもらって、お尻を向こう側に突き出すように  横向きに寝てください。」と指示を受ける。

ズボンとパンツを太もものあたりまで下げ、診察台に横向きで寝、お尻を 突き出す。看護婦さんが腰にバスタオルを掛けてくれる。しばらく待っていると 先生が来た。診察台の横にコンピュータがあり、先生がカルテをチェックしている 模様。それからやっと、俺のお尻に目をやり、瞬時に、
「あ。これは痔ろうです。」
(・・・分かってます。)
「じゃちょっと診察します。」
と言われ、触診開始。どうやら、肛門から指を入れ痔ろうの腸側の穴を探している模様。 結構痛い(痛い度:35)。今度は、針のようなもので お尻側の穴をつつきだした。痛い(痛い度:40)。
「い、痛てぇ。」と言うと、
「そうですよね。深追いはやめます。」と先生。
「痔ろうの管がどういう形をしているか調べてたのですが、恐らくストレート  です。」人によると、膿みの道が、曲がりくねっているらしい。 「結構、肛門から遠い場所に出てきているので、長いです。」はぁ。
「痔ろうは手術するしかないですが、どうします。」
「手術します。」
「そうですか。手術は、腰から下の下半身麻酔をします。麻酔は良く効きます。  痔ろうの手術は、そんなに痛くないですよ。」
 との言葉に、不安感が軽くなった。(でも、実際は、甘くなかった。)
「入院は10日程になると思います。後は、受付の係りと入院日を決めてください。」
という事で、初診終了。

受付の人と入院日を相談。個室は差額ベッド代が高い。2人部屋も差額ベッド代 が発生する上に、多分、4人部屋より気を使う。と判断した俺は、差額ベッド代 の掛からない、4人部屋を希望。ところが、4人部屋予約がいっぱいで、3月末 まで、空かないとの事。本当は初診の勢いで早く手術してもらいたかったが、 仕方が無い。3月28日入院の予約をした。会計のとき、「痔のお話と日常生活の 注意点」というパンフレットをもらった。

・アルコールをやめること。
・唐辛子などの刺激物を控えること。

と書かれていた。てやんでぃ。(あ、俺、江戸っ子ではない。)酒も辛いものも やめれるか!(ってだから痔になったんだろうな。)ってわけで、手術することが (って事は痔が治ることも)決まったので、帰り、嫁さんとインドカレー屋に入り ランチとビールを食した。

翌日、触診のせいか、カレーのせいか知らんが、痔ろうがものすごく膿んだ。 その後、かなりの血膿みが出た。