−レッド・ツェッペリン−
[LED ZEPPELIN / 1969]
1969年のデビューアルバム。今聞くとブルース色が濃く感じます。
一曲め[Good Times Bad Times]のイントロのバスドラムでまず驚いてください。
このバスドラムはツインではなく、シングルでたたいています(踏んでいます)。
そして、Plantのハイトーン。人の声じゃないです。Jimmy Pageはまだこの頃
レスポールではなく、テレキャスターをメインで使用しているためギターの
音はキンキンです。そして、僕が一番驚くのは、録音技術。69年というと、
Stonesが[Let It Bleed]、Beatlesが[Abby Road]を発表した年ですが、
こんなに、ステレオ感あふれる音は他のアーティストのレコードでは
無かったのではないか、と思います。「幻惑されて(Dazed And Confused)」、
「Communication Breakedown」他収録。
−レッド・ツェッペリンII−
[LED ZEPPELIN II / 1969]
1stアルバムリリース後、大規模なツアーの合間を縫ってスタジオを転々と
しながら作成された2ndアルバム。ものすごい創造力と集中力によって、
この名盤は作成されたようです。低音弦を使用したギターリフ中心の楽曲
は当時画期的で、後のハードロックに多大な影響を与えたそうです。
このアルバムからJimmy Pageのメインギターがレスポールになり、現在の
Gibsonレスポールの人気とビンテージ物(58年、59年製)の高騰の
原因にもなっています。楽曲は、捨て曲なしのまさにハードロックの名盤と
言えるでしょう。「胸いっぱいの愛を(WHOLE LOTTA LOVE)」、「HEARTBREAKER」、
「MOBY DICK」他、収録。
−レッド・ツェッペリンIII−
[LED ZEPPELIN III / 1970]
そして、問題作といわれた3rdアルバム。収録曲の半数がアコースティック
サウンドの曲で、前作のハードロックアルバムを期待した人々を見事に裏切りました。
今では、Zeppelinの特徴の一つに「多様な音楽性」というのが挙げられますが、当時は
まだ、ハードロックのカテゴリーでしか評価されていなかった訳です。
収録曲は、「移民の歌(IMMIGRANT SONG)」や「祭典の日(CELEBRATIONDAY)」といった
疾走するロックナンバー、どろどろブルースな「貴女を愛し続けて(SINCE I'VE BEEN LOVING YOU)」など素晴らしく、また、アコースティックな曲も、所謂フォークやトラッドの匂いは殆どせず、
驚くほどZEPPELIN風で、これまた捨て曲なしの名盤です。
− (正式なタイトルなし) −
[(FOUR SYMBOLS) / 1971]
一般的にはZeppelinの最高傑作と言われている名盤。とにかく1曲目の「BLACK DOG」を
初めて聴いたときは驚きました。途中からドラムと、ギター(ベース)が一泊
リズムをずらして進行するこの曲は、「どうのればいいの?」状態。
続く「ROCK'N ROLL」はまさに典型的なロックンロールだけど、ジョン・ボーナムの
ドラムからしてZEPサウンド全開。エレキギターの音、最高。そしてそして、
すでに古典となっている名曲「天国への階段(STAIRWAY TO HEAVEN)」を収録。
前作のアコースティック路線の曲と、ハードロックな曲が高次元で融合しているアルバムです。
− 聖なる館 −
[HOUSES OF THE HOLLY / 1973]
前作である到達点へ達したZeppelinの次なるステージは、バラエティさの拡大に
あったのかも知れません。この5作目は、これまでのどのアルバムとも違う曲調を
持った曲で埋められています。疾走感あふれるさわやかなサウンドで幕を開け、
荘厳なイメージのバラード、アコースティックなイントロからハードロックへの
転換、変拍子、メタリックなギター、レゲエリズムのロカビリーと実に様々な
曲が破綻することなく統一感を持って収められているアルバムです。
「永遠の詩(THE SONG REMAIN THE SAME)」、「NO QUARTER」他、収録。
− フィジカル・グラフィティ −
[PHYSICAL GRAFFITI / 1975]
独自レーベル「SWAN SONG」を立ち上げたZeppelin初の二枚組み大作ですが、
実は半分が今までのアルバムからのアウトテイク。
Disc1前半の畳み掛けるようなリフ中心の楽曲が素晴らしいです。
中盤からはアコースティックあり、インストあり、
アラブ/ケルト/インド風あり、でこれまたバラエティに富んだアルバム
となっています。「CUSTARD PIE」、「KASHMIR」他、収録。
− プレゼンス −
[PRESENCE / 1976]
Plantが交通事故にあい、足を骨折しツアーを回れなかった時期に
Pageが主導となって作られたアルバム。ドラム、ベース、ギターだけで
殆ど他の楽器が入っていません。ファンの中ではこのアルバムを最高傑作
に挙げる人が少なくありません。10分を超える1曲目の大作
「アキレス最後の戦い(ACHILLES LAST STAND)」から、このアルバムで聞けるギター
は非常にメタリック。ただし、所謂ヘビーメタルとは違い、リズムが前に
出ているため、どちらかというとファンクです。
「FORYOUR LIFE」、「俺の罪(NOBODY'S FALT BUT MINE)」他、収録。
− 永遠の詩 −
[THE SONG REMAIN THE SAME / 1976]
同名タイトル映画のサウンド・トラックとしてリリースされた初の二枚組み
LIVE。映画とは言っても、ほとんどフィルムコンサートのような内容で、
物凄いLIVEが展開されて行きます。見ていると途中からドーパミンが出ます。
このCDに関しては、一度映像の方を見てから聴くことをお勧めします。
「幻惑されて(Dazed And Confused)」」や「Mobby Dick」は確かに音だけだと
聴いててつらい長さがあります。しかし、一度映像を見ておくと、音だけでも
そのシーンが頭の中によみがえり、退屈することなく聴くことができます。
ものの本とかでは、「決してベストパフォーマンスとは言えない。」等書いて
ありますが、いくらZeppelinでも毎回ベストパフォーマンスをLIVEで行って
居たわけではないでしょうから、平均的な出来のLIVEとして受け止めれば
良いと思います。そう考えると(これが平均のできだとすると)、
やはりものすごいバンドです。
− イン・スルー・ジ・アウト・ドア −
[IN THROU THE OUT DOOR / 1979]
実質的な最終スタジオアルバム。写真では分かりにくいかも知れませんが、
このジャケットは紙袋に入っており、紙袋を破くと、男が酒場で酒を飲んでいる
写真のジャケットが出てきます。問題はそのジャケット写真が6種類あったこと。
どの種類のジャケットが出てくるかは紙袋を破くまで分からないため、マニアは
全種類集めるために何枚もこのレコードを買ったとか。
音楽的にはアルバムを通してベース兼キーボーディストのジョン・ポール・ジョーンズ
が主導権を握リ作成されました。そのため(?)ギターよりキーボードの音が前面に出て
おり、全体的にメロディアスかつPOP。一般的に言って、Zeppelinのアルバムの中では
評価の低い作品となってしまいました。
「In The Evening」、「HOT DOG」他、収録。
− 最終楽章(コーダ) −
[CODA / 1982]
1980年9月25日。ドラムのジョン・ボーナムが泥酔から吐瀉物をのどに詰まらせ
死亡。この突然の事故を受けLED ZEPPELINは解散しました。「たかがドラマー
が居なくなったくらいで解散しなくとも良いんじゃないか!?」というのが多くのファン
の声だったそうです。しかし、解散後のOUT TAKE集であるこのアルバムが発表され
人々は納得しました。「あぁ、やっぱり、ZEPPELINは誰一人欠けてもダメなんだ。」
そして、ジョン・ボーナムのドラムの素晴らしさを再認識しました。
そう、このアルバムは各時代のアルバム収録から漏れた未発表曲を集めたものです。
「なんでこんな曲がアルバムから漏れたの!?」と思わせる素晴らしい曲が揃っており
特に前作「IN THROU THE OUT DOOR」の不評を吹き飛ばすかのようにハード&リズムな
楽曲が詰まっています。「WE'RE GANNA GROOVE」、「WEARING AND TEARING」他、収録。
− BBCライブ −
[BBC SESSIONS / 1997]
1969年と1971年にBBCにのこしたLIVE音源が2枚組みで、1997年に正式に発売
されました。長生きはするものです。
解散から実に17年後の事です。「正式に」と書いたのは、海賊版
では有名な音源らしく、聞いている人は昔から聞いていたものらしいです。
(私はBOOTLEGには手を出していません。)当然、デジタルリマスターされ
BOOTより段違いの音質になっていると言われています。
Disc1はちょうど2ndアルバム発表直後、Disc2は4thの発表直前の時期で、
演奏は初期のハイテンションな勢いが物凄いことになっています。
本当に奏者3人の演奏とは思えない音圧です。
一つ難点は、選曲にあり、「Communication Breakedown」が3回も入っている
等、もうちょっと何とかならなかったのかな、と思わせます。
− 伝説のライブ −
[HOW THE WEST WAS WON / 2003]
現在(2005年)における最新のアルバム。1972年の全米ツアーを収めた
三枚組みLIVE CDです。4thアルバム発表後、5thアルバム発売前の正に
絶頂期です。このCDの発売が2003年、解散から23年後です。何故にもっと
早くに発表できなかったのか?と思います。Jimmyちゃん、金に困ったら
Zeppelinの音源を小出しにして生活費を稼ぐつもりじゃぁ・・・と勘ぐって
しまいます。コラムでも書きましたが
同時に2枚組みのDVDも発売になり、そのあまりの内容の凄さに、俺的には
少し割を食った感のあるLIVEアルバムですが、内容は文句無く素晴らしいもの
です。これの前にはLIVEアルバムとして[THE SONG REMAIN THE SAME]が
あるのですが、映画のサウンドトラックということもあり、LIVEは決して
絶好調の内容ではなかったと語られていますが、こちらは絶頂期、最高の
パフォーマンスが収められています。
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