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心安らぐひと時をあなたに・・・Peaceful time for you! 

   

母を想う時Hahawo Omoutoki

 
童謡と語りのCD
 こちらで聴けます!
  歌と語り:高山千代美

ピアノ:山下やよい

レコーディング:
日本マーキュリーレコード

母を想う時

  •     母を想う時 (歌と語り:高山千代美、ピアノ:山下やよい)
     

    私が物心ついたとき 母はいつもミシンを踏んでいました
    カタカタ カタカタ その心地よい音を聞きながら
    私はその傍らで いつの間にか 針と糸を持ち
    人形の服を縫って遊んでいました

     ゆりかごの歌をカナリヤが歌うよ 
    ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

    ゆりかごの上に びわの実が揺れるよ 
    ねんねこ ねんねこねんねこよ

    私が幼稚園の時 母は長い間 入院しました
    母は病室の窓から 見舞いに行った私たちの
    帰る姿を見ては涙したそうです

    やがて母は元気になり 我が家に明るい笑い声が戻ってきましたいつも人がいっぱい集まる家でした
    どんなに疲れていても いやな顔をしない母でした

    おいでよ ママのそば やすらかな ひとときよ
    そんなに不思議そうに なにを考えてるの
    ねえママ どんなことでも 笑顔で見ててくださる
    ママほど 素敵な人に いつかなれるのかしら
    ねえママ どんなことでも 笑顔で見ててくださる
    ママほど 素敵な人に いつかなれるのかしら

    お前の黒い目に 溢れてるその涙 
    悲しい時はそっと ママに話してごらん
    ねえママ どうか教えて 小さな私の胸に
    大きく広がる夢を どうしたらいいのかしら
    ねえママ どうか教えて 小さな私の胸に
    大きく広がる夢を どうしたらいいのかしら

     

    私が大学を受験するとき 母は言いました
    人生にはやり直せないこともあるのよ
    受験はやり直せるんだから 後悔しないように頑張りなさいと

    それから、私が教員を辞めて 再び上京することを決めた時
    私たちにとって 今世紀最大の 親子喧嘩をしましたね
    でも最後には、自分の道を生きるようにと励まして下さいました

     

    しかられて しかられて あの子は町までお遣いに
    この子は 坊やを ねんねしな
    夕べ 寂しい むらはずれ コンとキツネが鳴きゃせぬか

     しかられて しかられて 口には出さねど 目に涙
    二人のお里はあの山を 越えてあなたの花の村 
    ほんに花見はいつのこと

     

    そして遠くへ嫁いだ今 私も3人の息子を持ち
    「お母さん」と呼ばれるようになって 
    あのころの母の気持ちがわかる年になりました

     母から届く荷物には いろんなものがぎっしり詰まっていますふるさとの香りの 切干大根に日向夏 新鮮な野菜にお米
    そして飴玉やお菓子まで 「こんなものまで送ったの?」と
    いいながら それを楽しみに待っている私

     私が小さい頃から、母は口癖のように言いました
    「子どもたちに感謝しているよ」 と
    いいえ、感謝しなくてはいけないのは 私の方です
    お母さんの子どもで 本当に良かった
    いつもいつもありがとう
    お父さんと一緒に長生きしてくださいね
    そして、少しは親孝行させて下さい

     この道はいつか来たみち 
    ああそうだよ アカシアの花が咲いてる

    あの丘はいつか見た丘 
    ああそうだよ ほうら白い時計台だよ

    この道はいつか来たみち
    ああそうだよ お母様と馬車で行ったよ

  

このCDは、プレゼントファンという雑誌の「あなたのCD作ります」という企画に応募して作りました。

1996年の春、雑誌でみつけて、応募はがきを一枚かいたのが始まりでした。

そして数百通の応募の中から数十人が選ばれて、2時間のレコーディングと一枚のCDがプレゼントされました。

でも、一枚ではもったいないので、と自費で300枚ほどプレスしました。そのころはまだ誰でも

簡単にCDを作れる時代ではなかったので、とても嬉しく夢が叶った瞬間でした。

母が喜んでくれたのはもちろんですが、いろんな方が涙を流して感動してくれました。

母が64歳、私が36歳の時のことでした。

2025年現在、私は64歳、母は5年前に他界し、あと数か月で65歳になります。

今でも、私は母に会いたくて会いたくてたまりません。

母が私にくれたもの、母のやさしさや強さはもちろんですが、何よりも声です。

私のソプラノは母、澄んだ母の声そっくりなのです。

改めて、両親のもとに生まれたことを、心から感謝しています。

いつも両手を広げて、「お帰り~~!」と抱きしめてくれた母!

誰よりも私を愛し、私の幸せを祈ってくれた母。

お母さん、本当にありがとう!

      2025年6月25日  高山千代美






   

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