−ベガーズ・バンケット−
[BEGGARS BANQUET / 1968]
「Sympathy for The Devil」、「Street Fighting Man」
等のロックナンバーと、「No Expectations」、「Parachute Woman」
等のアコースティックブルースナンバーがバランス良く入った名盤。
Beatlesの後を追いかけることを止めて、自分達のルーツがブルース
にあることを確認した作品と言えるでしょう。オリジナルメンバーの
ブライアン・ジョーンズがまだここではプレイしています。
−レット・イット・ブリード−
[LET IT BLEED / 1969]
「それを血まみれにしろ!」っちゅう、めちゃくちゃなタイトルのア
ルバムです。前作に引き続き、ロックナンバーとブルースが程よくブ
レンドされていますが、全体的に楽曲のスケールが大きくなったよう
に感じます。本当に、いい曲ばかり並んでいますが、それ以上に、こ
のアルバムはStonesにとって区切りのアルバムです。一つが、このア
ルバムがDeccaレコードからリリースされる最後のアルバムになった
こと。そしてもう一つが、オリジナルメンバー、ブライアン・ジョー
ンズの脱退、死亡、と、二代目ギタリスト、ミック・テイラーの加入
です。いやー、ここからの5作品、本当、ミック・テイラー、Stones
入ってくれて良かったー、って思います。
−スティッキー・フィンガーズ−
[STICKY FINGERS / 1971]
ストーンズ・レーベルからリリースされた第一弾アルバムがこれ。
かの名曲「Brown Sugar」で幕をあけます。一番のハイライト(死語?)
は、何といっても4曲目の「Can't You Hear Me Knocking」でしょう。
7分を超える大作です。前半のキースのリフでぐいぐい引っ張ってい
く部分と後半のミック・テイラー主導のリード部分のコントラスト
が、すばらしいです。いや、本当にこの頃の、キース&ミック(テ
イラー)のギターコンビは、いいっす。難点は、アルバム後半(B面)
の印象が薄いことか?
−メイン・ストリートのならず者−
[EXILE ON MAIN ST. / 1972]
Stones初の2枚組みアルバム。(CDでは1枚になってます。)
もう、この頃のStonesって、誉め言葉しか出てこないですけど・・・。
オープニングの、「Rocks Off」カッコ良すぎ。Side2のアコーステ
ィックコーナーもカントリー&ブルースで良いし、「Tumbling Dice」
や「Happy」なんちゅう有名どころも入っているし。本ま、好きなアル
バムです。(あー、だんだん、レビューじゃなくなってきた・・・)
−山羊の頭のスープ−
[GOATS HEAD SOUP / 1973]
実は僕が初めて聞いたStonesのアルバムがこれでした。1曲目の
「Dancing With Mr.D.」を聞いたとき、「何だ!このノリは!?」
と、ぶっ飛んでしまいました。Queenとか、結構当時はやりだった
音楽は聴いてたんですが、リズム&ブルースの独特なグルーブをそ
れまで知らなかったんですね。アルバムは、「Danceing〜」以外に
も、「Angie」や、「Star Star」といった名曲があるものの、他の
曲の印象が薄く、佳作止まり。
−イッツ・オンリー・ロックン・ロール−
[IT'S ONLY ROCK'N ROLL / 1974]
下手をすると(?)、Stonesの最高傑作かも知れない程の名盤。
あ、自信ない。俺が好きなだけか?とにかく、「たかがロックン・
ロール、でも好き!」っていう、タイトル曲を筆頭に、外れ曲が
ない。サウンド的には、アルバム・タイトルが示すとおり、ブル
ース色が弱く、R&R色が強い作品。一番好きだったのは4曲目
の「Time Waits For No One」。泣きのメロディ、とこれまた終盤
のミック・テイラーのリードが抜群の曲です。そのミック・テイ
ラーも、このアルバムを最後に、Stonesを脱退。理由は、どんな
に、曲に貢献しても、自分の名前がクレジットされなかったから、
とか。
−ブラック・アンド・ブルー−
[BLACK AND BLUE / 1976]
そして、ロン・ウッドが加入して、現在の・・・いや、ビル・ワ
イマンが抜ける以前のメンバー編成となりました。90年(だった
っけ?)の初来日も、このメンバーで、行ってます。このアルバ
ムは、FUNKや、レゲエなど、新しいリズムの試みを行っているの
が特徴ですかね。B面の「Hey, Negrita」、「Melody」なんてと
ころは、あまりPOPではないんですが、好きになったら抜けられな
い曲です。好みの話に限ると、僕はこのアルバムが一番好きかも
しれません。
−ラブ・ユー・ライブ−
[LOVE YOU LIVE / 1977]
2枚組みのLIVEです。まさにStonesの絶頂期のLIVEでしょ
う。Side3はカナダかどっかの小さなライブ・ハウスで行ったとい
う演奏で、ブルースをやってる他は、ヒット曲のオンパレード。違
う意味でのBESTになっています。ただ、Stones好きにはたまら
ん内容のアルバムなのですが、演奏がめっちゃStonesらしく、ラフ
ですので、何にも知らない人がこれを聞いたら、「なんじゃ、この
下手な演奏は?」って思うかも。そういう意味では、初心者にはお
勧めしません。ところで、このアルバム、リリース当時、「偉大な
るライブ!」っていう邦題が付いていたと思うのですが、僕の記憶
違いでしょうか?
−女たち−
[SOME GIRLS / 1978]
このアルバムはディスコビートを取り入れた「Miss You」で幕を開
けます。全体的に、ハードなサウンドの楽曲が多いのが特徴です。
ちょうどこの頃から、ミックがギターを持つことが多くなりました。
また、この頃から、アルバムの構成も、途中でカントリー・フレー
バーな曲が必ず1曲あるとかキースのヴォーカル曲が1曲あるとか、
全体が10曲でまとまっているとかいうお約束パターンができた気
がします。これは、メディアが完全にCDに移行する、「ダーティ・
ワーク」まで続きます。
−エモーショナル・レスキュー−
[EMOTIONAL RESCUE / 1980]
さぁ、80年代が始まりました。このアルバムリリース当時はあまり
好きではなかったのですが、今聞くと結構まとまってます。ミックの
ファルセット・ヴォーカルの聞けるタイトルナンバーなんてのも、当
時結構話題になりました。オープニングタイトルの、「Dance(PT.1)」
がとてつもなくカッコいいです。結構、傑作。
−刺青の男−
[TATOO YOU / 1981]
元々は、他のアルバム作成時ボツになったTAKEを、ミックスし直
して作られたのが、このアルバムです。ですが、ただのボツTAKE
集ではないのがさすが。ちゃんとしたオリジナル・アルバムになって
います。名曲「Start Me Up」から、ミディアムテンポの「Waiting On
A Friend」まで80年代、成熟期を迎えたStonesの音があります。
−スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)−
[STILL LIFE(AMERICAN CONCERT 1981) / 1982]
タイトル通り、1981年のアメリカツアーからのLIVEアルバム
です。このアルバムの特徴は、「Under My Thumb」、「Time Is On My
Side」、「(I Can't Get No)Satisfaction」等、初期のヒット曲が収
められている点でしょう。ここでの、演奏もルーズ&グルーヴィーで
す。また、このツアーの模様を収めた(従って、音源が同じ)、その
名も「The Rolling Stones」という映画がありました。当時、Stones
が来日できるわけがないと思っていたファンは、この映画をLIVE
の代わりに見に行ったもんです。
−アンダーカヴァー−
[UNDERCOVER / 1983]
当時、(って今もか?)ダンス・ミュージックに傾倒していたミック
の趣味が反映された、アルバムです。CDの帯には、「ストーンズ流
ヒップ・ホップ・ナンバー」として、「Under Cover Of The Night」
が紹介されています。フランスでの日本人によるカリバニズム殺人事
件を歌った、「Too Much Blood」等、リズムが表に出ているアルバムです。
−ダーティ・ワーク−
[DIRTY WORK / 1986]
ミックと、キースの仲が最悪な時期に差し掛かっているときに制作さ
れたアルバムです。ほとんどやる気のないミックの代わりに、キース
主導で作られたといわれています。そのせいでしょうか、どの曲もい
まいちでアルバム全体の印象も、薄いです。70年代から続いていた
バンドとしての高いクオリティが感じられません。あ、そして、この
頃、6人目のオリジナルメンバーである、ピアノのイアン・スチュア
ートが亡くなりました。合掌!
−スティール・ホイールズ−
[STEEL WHEELS / 1989]
前作発表後、ミックが2枚のソロ、キースも初めてのソロアルバムを
出すなど、ほとんどの人が、「あぁ、もうStonesも解散か。」と思っ
ていたのではないでしょうか。ところが、ところが、ミックと、キー
スが仲直りして、新作制作、発表、ワールド・ツアー、おまけに、あ
きらめていた来日ツアーまで、あったりして、この頃、日本のStones
ファンは一番幸せな時期を迎えていたのではないでしょうか。僕も、
このアルバムが好きでした。「Mixed Emotions」なんて、すばらしい
曲もあるんですが、キースがヴォーカルをとる2曲、「Can't Be Seen」、
「Slipping Away」が特に良かったです。
−フラッシュポイント−
[FLASHPOINT / 1991]
来日公演の興奮も冷めるやらぬ頃、「Steel wheels / Urban Jungle
World Tour」の模様を収めた、LIVEアルバムがリリースされまし
た。東京ドームでも思ったのですが、なぜか、演奏がきっちりしてい
ます。昔あった、ルーズさが、あまり感じられません。それが、いい
ことか、悪いことかは、人それぞれ意見があるでしょう。このアルバ
ムも、昔のヒット曲から最新アルバムの曲まで、バランス良く入った、
BEST版の趣があります。なお、この頃、オリジナル・メンバーの
一人であったベースのビル・ワイマンが脱退しました。
−ヴードゥー・ラウンジ−
[VOODOO LOUNGE / 1994]
さて、このアルバム、「ベガーズ・バンケット」や「メインストリー
トのならず者」を目標として、名盤を作ろうとして、制作されたそう
です。確かに、ミックはハーモニカを吹いているし、ハプシコードを
使った曲があるなど、その頃の雰囲気を感じさせる楽曲が多く入って
います。コアなStonesのファンは、このアルバムを絶賛してます、が、
僕はなぜが、あまり好きではありません。あまりにも、Stonesらしす
ぎて退屈なのです。まぁ、Stonesに、各々、何を求めるかで、評価の
分かれるアルバムだと思います。
−STRIPPED−
[STRIPPED / 1995]
アンプラグドがはやったからでしょうか。[VOODOO LOUNGE World Tour]
から、アコースティックコーナーでやられた曲や、スタジオで新たに
録られたアコースティックナンバーを集めたアルバムとなってます。
やっている曲が、ずるいです。ほとんど、「Beggars Banquet」以降、
80年代前半までのおいしい曲ばかり入ってます。いいに決まってる
ので、ちょっと反則。
−ロックン・ロール・サーカス−
[ROCK AND ROLL CIRCUS / 1996]
ええーと、リリースされたのは、1996年ですが、音源は1968
年です。TV番組向けに、いろんなミュージシャンを集めて、2日間
ほとんど徹夜で、セッションなんかして、・・・で、冷静になったら、
出来が良くないってお蔵入りしてたものが、20年以上たって、リリ
ースされました。長生きはするものです。Stonesの演奏は、ちょうど、
「Beggars Banquet」の頃で、ブライアン・ジョーンズのプレーを聞く
ことができます。Stonesのほかにも、Jethro Tullやら、キース・ムー
ン存命中のThe Whoの演奏などが聞けますが、中でも一番は、The Dirty
MacとよばれるBANDの演奏でしょう。
ギター&ヴォーカル:ジョン・レノン、
リード・ギター :エリック・クラプトン、
ベース :キース・リチャーズ、
ドラムス :ミッチ・ミッチェル
っちゅうとんでもない編成で、Beatlesの「Yer Blues」を演ってます。
−ブリッジズ・トゥ・バビロン−
[BRIGES TO BABYLON / 1997]
Stones最新作は、複数のプロデューサーを起用して、バンドの可能性
を広げる試みを行ったそうです。BECKのプロデューサーとして有名な、
ダスト・ブラザースの他に、ダニー・セイバーっていうプロデューサー、
そして、前作から引き続きのドン・ウォズが参加しています。前作
「VOODOO LOUNGE」で、正直、終わったかな?と思ってたのですが、
なんのなんの。すごい音出してます。このアルバム。90年代のStones
最高傑作でしょう。
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